「安藤忠雄展-挑戦-」安藤建築を体験してきました!
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美術館へのお出かけがわたしの育児中のストレス発散です。先日、国立新美術館で開催されている「安藤忠雄展-挑戦-」を観に行ってきました。久しぶりの美術展、せっかくなので印象に残ったこと書いておこうと思います。
▲屋外展示スペースに原寸大で再現された「光の教会」。みんな思い思いに鑑賞していました。
国立新美術館10周年の企画展示
国立新美術館は大好きな場所です。初めて訪れた時とても胸踊りました!もう開館から10年も経ったんですね。これは黒川紀章建築。
挑戦し続ける建築。ものすごい熱量と仕事量が圧巻の展示でした
ボリューム満点すぎて観きれない!充実の展示内容
いつも美術展へ足を運ぶと、所要時間がだいたい2時間くらいだと思います。ですが、今回はがっつり3時間半は観てまわりました!でもそれでも足りないくらいの展示ボリュームで、最後の方わたしはお腹が減りすぎてフラフラになってしまいかけ足で観た感じになってしまいました。図面に写真に模型にエピソードに映像に…と、くまなくじっくり観てまわったら5時間はかかるんじゃないでしょうか。建築の企画展示へは初めて行ったのですが、ものすごい展示量でした。そしてそれが安藤忠雄という建築家の持つ熱量と、精力的な活動を物語っているのだと思いました。
もしも時間に余裕があってこれから観られる方には、1日がかりでの鑑賞をお勧めします!
展示内容
Section1 原点/住まい
大阪のアトリエ、住吉の長屋、NYのペントハウスなど
Section2 光
光の教会
…屋外展示スペースにそっくりそのまま再現されています!体験できます!
Section3 余白の空間
表参道ヒルズ、東急東横線渋谷駅など
…意図的に余白を創り出す。建物の中に淀みや溜まりを引き込む。
Section4 場所を読む
直島プロジェクト、フォートワース現代美術館、札幌の頭大仏
…安藤忠雄のプロジェクトは建てる土地に足を運ぶところから始まる
Section5あるものを生かしてないものをつくる
大阪中之島、ヴェネチア、パリの歴史的建造物のプロジェクト
…再生とは、新旧が絶妙なバランスで共存する状態をつくりだすこと
Section6 育てる
産んだら、育てる
展示で印象的だったこと
音声ガイダンスがおもしろい
わたしのTwitterのタイムラインで度々、「安藤忠雄展のガイダンスがおもしろいw」ていったつぶやきが流れてきていました。これは絶対借りないとな〜と思っていました。
安藤忠雄本人が話しているのですが、大阪弁でぶっちゃけすぎていて本当に聴きごたえがありました。一部抜粋すると「実際住むのなら使い勝手の良いほうがいいので自分の住宅には住まない」「住宅を建てるときは施主に『使いにくい住みにくいですよ』と何度も伝えている」だそうです٩( ᐛ )و
安藤忠雄のひととなり
独学で建築家に
元プロボクサー・独学で建築家に…というのはテレビか何かで観て知っていたのですが、やはり建築家として独立するまでに大変な努力があったようです。
とにかくたくさんの本を読んで相当勉強をしたそう。そしてその中で「建築は実際に体験するべき」と気付き、世界中を旅したそうです。
ドローイングが素敵
その旅の際の写真やドローイングも展示されていたのですがそれらの美しいこと!写真も鮮やかでかっこよかった!特に印象的だったのはドローイングの色使いやグラデーション。もう素敵で。。こんな絵を描かれるんだなぁ〜と新鮮でした。
愛犬に「ル・コルビジェ」と名付ける
ほかにも双子の兄であることや、愛犬の名前が「ル・コルビジェ」だったり…。なにかと興味深い。再現されたアトリエにもコルビジェの書籍がたくさんあり、とても影響を受けているんだなと知りました。(コルビジェは近年日本で世界遺産にも登録された上野の国立西洋美術館の建築家)
安藤忠雄の住宅
出典:http://www.tadao-ando.com/exhibition2017/contents/
音声ガイダンスの中で印象に残ったのは「あえての不連続性」「住宅は住人が考えて住むもの」…これを聞いただけで住みにくそう!!!
都市空間の中で、いかに光と風と共存するかに挑んでいてその信念がすごいのです。
光の教会
出典:http://www.tadao-ando.com/exhibition2017/contents/
今回の展示の目玉である、大阪にある「光の教会」が原寸大で再現されたもの。今回わたしはこれが一番観たかったのです。
「建築は体験するもの。一度中に入って忘れない体験となる建築。」
コンクリート打ちっぱなしの壁に、ガラスのはめられていない十字架から入ってくる光。感じられる風。たしかに、わたしが今まで体験したことのない建築でした。わたしはキリスト教徒ではないけれど、こんな空間でお祈りをしたら荘厳な気持ちになるのだろうなぁと空想しました。
大阪中之島のプロジェクト
こちらのプロジェクトは計画のみだそうですが、氏の斬新な建築感があらわにされたものでした。
地上での広さの確保が難しいなら地下をドーンと使う。歴史的な建物の改修で内部に大きな卵を入れようというアイディア。これは老人が新しい卵(未来)を抱えているイメージだそうです。
すごく大胆な発想で、でも建築的にそれを叶えてしまうという説得力も持ち合わせている。こういう大胆で斬新なアイディアが安藤建築をより一層魅力的に、挑戦的にしているんですね。
創造の門、考える壁、希望の壁
とりあえずネーミングがかっこいい!そして名前負けしてない建築たち。
「創造の壁」モンテレイ大学の美術系学科の校舎
出典:http://makeseen.com/tadao-ando-centro-roberto-garza-sada/#.WhpirWJcWEc
これはめちゃくちゃしびれました!メキシコの大学ですが、いつか観に行ってみたい!!
「考える壁」東大・情報学環福武ホール
出典:https://www.google.co.jp/amp/s/panda-chronicle.com/fukutake-hall-2016/amp/
「希望の壁」大阪
出典:http://www.tadao-ando.com/exhibition2017/contents/
通称「頭大仏」山の中に突如としてあらわれる雪に埋もれる巨大大仏
出典:http://www.tadao-ando.com/exhibition2017/contents/
この写真のインパクト!一瞬状況を理解できません。笑 北海道の霊園の大仏なのですが、まわりの広大な自然という環境を生かしこのような建物になったということ。たしかに突然山の中にこんなの出てきたら「何だ何だ?!」と思いますよね。まさに、建築とは体験!
産んだら、育てる。
建てたら終わりではなく、その後建築とそのまわりの環境に手を入れて育てるかを大切にしているようでした。すこしでも自然に恩返しをするという意味で、植樹活動なども精力的に行っているとのこと。多忙を極める中、すばらしいなと思いました。
その他にも、一連の直島のプロジェクトや、ヴェネチアやパリでの歴史的建造物の修繕建築など今までの仕事についてかなり細かく展示されていました。
おまけ
図録は…買ってしまいました
展示内容がとても良くまとまっていてこのボリュームで破格のお値段(2000円弱)…これは逃せないと思い購入!わたしが行った時はすべてが「サイン本+特製ペーパー付き」でした。全部てどんだけだよ…安藤さん。ちなみに価格設定は、学生でも手に取れるようにとこの値段に押さえたとのことです。
新美術館のミュージアムショップも大好きです
「スーベニアフロムトーキョー」というとてもステキなお店です。うきうきしながらお店をまわって、何点かおみやげを買ってきました。
ひとつはハンカチ。ハンカチは毎日持ち歩きますしいつもお気にいりを持っていたいです。ミュージアムショップは可愛いファブリックを売っていることが多いので、出逢ったら買ってしまいます。
あとはマグネット。なかなか可愛いマグネットがないのですが、これは気に入っていて今回買い足しです。さり気なくワンポイントで使えます。
それからむすめへのお土産、鳥(?)のデザインの鉛筆削りです。むすめの色鉛筆用に◎
子どもは美術館へはまだ連れていきません
もっと小さい頃には何度か一緒に連れて行っていましたが、大きくなり走り回れるようになってからは連れて行っていません。本人も退屈なのだろうし、わたしもゆっくり観たいので。ふたりともフラストレーションになってしまうので、しばらくは美術鑑賞はわたし1人の時に、と決めています、またもう少し大きくなって体験型の子どもも楽しめる展示などに連れて行ってあげたいなと思っています。
すべて見終わって「挑戦」ということばが沁みた展示でした。どのプロジェクトも全力で、一貫した芯を持ち続け且つ同じところに留まっていない、ものすごい人です!国立新美術館で行われている「安藤忠雄展-挑戦-」は2017年12月18日までです。