新米ママと、ときどきオトン。

未年うまれのむすめを育てる新米ママと、その夫がときどき登場する子育てブログです。

カルテット最終話の感想「煙のわたしたちへ」

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こんばんは、新米ママのtononecoです。久しぶりにはまって観ていたドラマ「カルテット」が終わってしまいました。録画したものをリビングで流していたので、最近ではむすめも「すずめちゃーん」(満島ひかりの劇中での役名)とテレビに向かって呼びかけていたりしてました。

育児とは関係がないですが、すばらしいドラマだったので、少しだけ感想を。(ネタバレ含みます。ご注意ください。)

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(ツイート元 https://twitter.com/tsukasa_vl/status/844201405946580992
ドラマを観ていない方からするとチンプンカンプンだと思います。その場合はそっ閉じでお願いします^^;

謎のすべてをあえて解かず、グレーなままであること

カルテットの演奏を聴いた元奏者からの手紙。

「あなた達は素晴らしい音楽がうまれた過程で生じた余計なもの。煙のようなものです。」「それなのになぜ演奏を続けるのですか?」
これはドラマ中に登場するのただの鍵?それとも視聴者の内なる声?世間からの目?定かではありませんがいずれにせよ、それに対する答えにならない答えが、このドラマのアンサーなのでした。
わたしがこのドラマから受け取ったことはこんなことでした。
(いきなりポエム調になりますので注意!)

手紙の送り主の主張を素直に受け取るのなら、世の中は、むせかえるほどに煙だらけ。そして御多分に漏れず、わたしも煙。ああなんて、煙い、煙い。

グレーの煙に巻かれたまま、まれに指先をかすめる共鳴の感触に喜びを覚える。
決して掴めないけれど、たしかにあるその感触を、しぶとく求めている。

煙に巻かれているようで、実際には自身が実体のともなわない煙であるわたしたちは、それでもその手触りだけを頼りに、白か黒かを選びきれずのらりくらりとしていたわけだけれど。
一度は雲散霧消しかけたカルテットは、ふたたびグレーに混ざり合う。そして最終話のクライマックスでオーディエンスを自らふるいにかける。今までにも時折片鱗を見せていた大胆なやり方で。
そう、すべてのひとに受け容れられる必要はまったくないということを、痛快に示したのだ。

そしてラストには、軽井沢から熱海への移動。湖岸から浜辺への解放。それが自らが選んだのでなく他人からの要請でも、間違いなく肯定的な、変化の兆しである。

以前に増して砂に足をとられて歩きずらい。
それでも、ともすれば煙の元凶を大切に抱えながら、道に迷いまくっても前に進む。

一生宙ぶらりんで、漂って、煙のままでいていいんだと。わたしたちは最後に煙であることをゆるされたのだ。

なあんだ これでいいんじゃないか。
なにも変わらず、なにも選びとらず、このグレーのまんまで。

最高の人間賛歌でした。これは表現者だけに当てはまるものではなく、誰にでも覚えのある感触の話だと思うのです。

ありすちゃんのことも大好きです

カルテットと相反するカタチで描かれた最強ヒールな彼女のことも、わたしは決して嫌いにはなれないのです。必要悪、とかいうのでもなく。
あのドラマの中で誰よりも迷いがなくパワフルで貪欲で、生命力に溢れていたのはありすちゃんでした。
彼女の選択もまた、人間としてどうしても有りだとわたしは思っています。

4人の敬語が決して崩れないことをとても気に入っている

この適度な距離感、なのにどんなに砕けた間柄よりも触れ合っているという不思議な関係。
コミュニケーションは形式ではないということに、わたしはとても共感と好感を覚えました。
大人は秘密を守るものだから、それを共有しながらグレーでい続けるための砦なのかもしれませんね。

もはや「裏カルテット」的、おすすめレビューブログ

最後に、愛読している方も多いかと思いますが、このドラマ放映中に毎回見事なレビュー記事を書かれていたブログがこちらです。

こちらのブログのおかげでわたしはドラマを2度楽しめていました。ため息が出るくらいです。とても丁寧に書かれていますので、未読の方はぜひ一度読まれてはいかがでしょうか。

hiko1985.hatenablog.com

ちなみに、ドラマが始まった頃にも一度「カルテット」についてわたしが記事にしていたエントリがこちらです。今もですが、この時も興奮して書いてましたね。

大人の恋は、やっかいだ。ドラマ「カルテット」にみぞみぞしてきた話 - 新米ママと、ときどきオトン。

兎にも角にも、珠玉の人間賛歌でした。真紀さんは怪物的な存在感で、すずめちゃんはひたすらキュートで美しかった、家森さんの謎の魅力は炸裂していて、でも最後は別府くんがスマートに見せかけてやはり滑稽にカルテットをまとめあげている感じが、最高のドラマでした。

ということで、とりとめのない感想でごめんなさい。ここまで読んでいただけた方、ありがとうございました!
そして、本当は今日は早く寝なきゃ明日の仕事が詰むんですが、こんな時間の更新です。笑 また次回は通常の育児ネタですので、よろしくお願いします。