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未年うまれのむすめを育てる新米ママと、その夫がときどき登場する子育てブログです。

マンガ・かわかみじゅんこ「中学聖日記」を読んだら胸キュンファンタジーだった話

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こんばんは、新米ママのtononecoです。今日の話題はまったく育児関係ないです!^^;完全にわたしの趣味ですが、たまにはこんな記事も。
先日久しぶりに買ったマンガ、かわかみじゅんこさんの新刊「中学聖日記」についての感想を書いてみました!

もともとマンガは大好きです。卒論であるマンガ家さんについての考察を題材にしたぐらいですが、ここ最近はめっきり新しいマンガ作品など完全に疎くなってしまっています。^^;
それでも、かわかみじゅんこさんに関しては高校生の頃に出会ってからずっと追いかけているくらいファンなのです。

脱線話・夫からマンガの購入を推奨されていない話

ところで話がそれますが、本当はマンガを買うことをあまり夫はよく思っていません…。笑(でもこの記事読んだらバレるな!)
夫ももともとマンガが大好きで、今でもわたしよりずっと読んでいます。それがなぜ今購入を嫌がるのかというと、彼自身の経験からで、以前引越しの際に自分が所有していた大量のマンガの処分に、本当に困ったということでした。
お気に入りの「ドラゴンボール」「ジョジョ」「スラムダンク」などのコミックスを(ナチュラルボーン・ジャンプっ子!愛すべきマイルドヤンキー☆)、「読む用・貸す用・保管用」と3冊ずつコレクションしていたそうです。
結局売ったり捨てたり、すべてを断腸の思いで処分したという経験があるのです。それ以来、「俺の本棚は漫画喫茶、もしくは『eBookJapan』(コミックスダウンロードアプリ)だ!」と心に決めているらしく、実際に彼はほぼマンガを購入していません。
なんでそこだけピンポイントでミニマリスト!というツッコミは盛大に、たしかに書籍は収納に場所をとるので、その点ではいいなと思うのですが…。わたしは欲しい、所有したい、と思った作品はちょこちょこ買ってしまってるんですよね。一緒に住んでいるのだからまあバレているとは思いますし、目をつぶってくれているものと思います。^^;
もともとわたしは読書が好きなので、普段はなるべく場所を取らない文庫小説などを買い(せめてもの気遣い。笑)、極力マンガは買わないようにしているので「中学聖日記」は本当にひさびさのマンガ作品購入でした。

かわかみじゅんこ作品がとても好きです

わたしは高校生の頃「少女ケニヤ」(初期の作品集)に出会い、絵柄・カラー・世界観・台詞など作品を構成するすべてに憧れ、影響を受けました。当時のわたしの中ではそのくらい新しく、鮮烈だったのです。
短編の作品集が多いのですが、どのお話の登場人物もとても魅力的で、とても親しみの持てる、どこかコミカルで、でもパンチの効いた愛すべき人々なのです。
ストーリーも、結構インパクトのある流れや設定が多いのですが、その端々にキラキラと砂糖菓子が散りばめられたような、ふんわりとした雰囲気が漂っていて…、ああ、わたしの好きな感じなのです。(わたしもよっぽどファンタジーです)

最近では「フローラ」という作品がとても良かったです。主人公フローラは20世紀初頭フランスの現代でいう喪女。見かねた弟の「このままじゃ姉さんは、オールドミスどころか妖精になってしまう!!」という台詞がコミックスの帯になっています。
それまで若くして亡くなった母親のかわりに、献身的に父親の世話をしてきた彼女が、はじめて恋に落ちる…!?といったストーリーなのですが、
このフローラはわたしと年代も近く、かといって年齢よりもずっと純粋。自身が喪女なことを自覚せず焦ってもいない、かわいらしい人です。最近刊行されたコミックスの中ではわたし的には特にお気に入りです。

「中学聖日記」は最初購入を躊躇しました^^;

そして、今回の新刊「中学聖日記」は、25歳の女教師の「聖ちゃん」と中3男子「黒岩くん」の11歳年の差ラブストーリー!!
この設定に、実はわたし一度購入を躊躇してるんですよね。(夫からマンガを買うなと言われていることが理由ではなく…)。
だって、この、あまりの設定の無さ…。わたしの中で、この設定は「無い」のです。もともと年下の男性とのお付き合いの経験もなければ(むしろ年上がすき)、年下の男性に片思いというのもなかったので、わたしの想像の範疇を軽く超えてしまったのです。
こんな設定のストーリー、受け入れるかしら。そして、こんなにもわたしが過剰になるのは、根底に、ある懸念があったからなのです。
「もし、もしこの中3男子と恋をするらしい女教師に自己投影してしまったら…。わたしはそんな自分を受け入れられるだろうか???」はい、自意識過剰です。そんなのどーでもいー。笑
むしろ現実世界を忘れ、どっぷり妄想にひたりながら楽しむという読み方のほうが健全かとも思われるのですが。自意識ライジング(©おそ松さん)なわたしはそんな理由で作品を手にと取ることを躊躇していたのです。
そんなわたしを見兼ねた友人が「大丈夫、現実の中3なんて汗臭くてニキビすごいしアホ毛だらけだよ」という、偏見に満ちた、けれど効果バツグンな助言をくれ、爆笑しながら現実に立ち返ることができました。ありがとう心の友よ…!(涙)
そしてわたしはその翌日即行コミックスを手に入れたのです。

「中学聖日記」のストーリー

この「中学聖日記」あらすじとしては、新卒の女教師「聖ちゃん」25歳と、思春期只中の中3男子「黒岩晶」14歳が、微妙な交錯をしながらひかれ合い恋に落ちていくラブストーリーです。

ネタバレしない程度に解説していくと、まず、この「聖ちゃん」(これは黒岩くんが作中でこう呼んでいる)が、単純に言って「かわいい」。天然で単純で純粋で鈍い、もちろん顔もかわいい、髪質すらかわいいタイプ。
そんな彼女をやっかむ存在はどこに行ってもいて、物語の最初の時点でクラスの女子からは「あざといー!」との評価受けています。同僚のお局教師には早々から目をつけられ、ある女子生徒からは面と向かって「鈍いって特ですね!」なんて言われてしまう。
でもそんなまわりの対応を受けても、攻撃することを知らない彼女は、驚いたりおびえることしかしません。おそらくずっとそんなことで彼女は傷ついてきていて、自分に自信もない。 けれど鈍く純粋がゆえに、ひねくれることもない彼女は、やっぱり誰が見てもいじらしく、多少の危うさをそなえた魅力的な存在なのです。
そして、本人の抱える傷はどうでもよくて、そんな彼女をやっかみながらも強烈に憧れ、うらやましく思っている人はとても多いように思う。それも、のどから手が出るほど。きっとわたしも、現実にこんな女の子がいたらそう思うはず。

それから中3男子「黒岩くん」(これも作中で聖ちゃんがこう呼んでいる)は、思春期只中と書きましたが、おそらく他の中学生男子とはすこし違っています。この時点ではやはりとても純粋で天然、浮世離れしていて擦れていない、10代特有の謎めいた透明感を具現化したような存在。しかも美少年。
こちらも本人はなんにも狙ってない。狙ってないからこそ、周りの人が勝手にゴタゴタして振り回されている風になっているって言う構図、たまに見かけませんか?そして、多かれ少なかれ、本人もゴタゴタに影響され被害を被り傷つく。

そうつまり、この主人公はふたりともなんだかいつも損してしまう人たちのように、わたしには見えるのです。

ああ、純粋な人が純粋な人にひかれていくんだな、と読みすすめていて思いました。
そしてThe少女マンガ的に度重なる偶然で、どうしても二人の距離は近づいていってしまう。それをまわりは傍観せず、ふたりとはステージをにして勝手に奔走し、たしかな障害となっていきます。

このふたりの神聖な魅力は何なんだろう。作中のまわりの登場人物のように得体の知れない焦燥感を抱きながらいるのではなく、神様がのぞき見する感覚で、ふたりが恋に落ちていく心の機微に、こっそりと触れることができる。そんな読後感でした。

早めに蚊帳の外だったので、逆に思う存分どっぷり浸れました

…なんというか、わたしは前述した心配もむなしく、ストーリーの序盤から蚊帳の外なのでした。だって、わたしは「聖ちゃん」のような女性だった時期なんて一度もないし、「黒岩くん」のような男の子はわたしのような女性は選ばないだろうなと思ってしまう。
こんな書き方をしたら絶望感しか感じませんが、でも、そのおかげでこの作品を早めにファンタジーとして受け入れられました。そして物語にどっぷりと浸り、しかるべきシーンでキュン死しそうにもなりました。
なんだか「わたしの時代は終わった」的で悲しくもあるのですが。^^;
わたしはたしかにこの物語の中に自己投影するとしたら「あざといー!」言った女子のポジションだと思いますし、今現在でやっと、妙齢の女性として25歳の聖ちゃんを本当にかわいいな(嫌味でなく)という目で見守ることができるのです。

純粋な人たちが、傷つきながら、心を形成して、前に進んでいく作品、かなとわたしは思います。そして随所に散りばめられた胸キュンエッセンスが!

なんだかつらつらと書いてしまいましたが…。あえて誰のレビューも読まず感想を書いていますが、皆さんどういった感想なんだろう。わたしもまだ通して1回しか読んでいないので、また読み込んでいくともう少し違った印象になるのやもしれません。

この「中学聖日記」は7、8月と2ヶ月連続で刊行されていて、かわかみじゅんこ作品にすると長編物語です。 今後どういった展開になるのか、(作者本人のインタビューによれば「エロエロになっていく予定」とのことですが!笑)毎度のことながら想像もつきませんし、それゆえにとても期待しています!とても楽しみです!!

フィール・ヤング | かわかみじゅんこ『中学聖日記』&『パリパリ伝説』刊行インタビュー!


あれ?このブログ読んだ後なんだかもやっとする??いや、そんなことないない!ないって!せっかく書いたのでアップします!^^;←見切り発車!笑